「僕は君が好きだ」
「あたしは嫌い」
「どうして。僕らあんなに愛し合ってたじゃないか」
「人間の心って移り行くものなの」
「永遠だって言ったじゃないか」
「それを誓ったのもあたしの心だから」
「そばにいてくれよ」
「離れましょう。あたしたち終わったの」
「…せめて理由を、」
「さよなら」



ガチャ、バタン。



ジャリ、ジャリ、ジャリ、



「…ちょっと、外まで話聞こえてたよ」
「うっそ。危ない危ない」
「もーああいうのは奥で話しなって。ほら乗って」
「わーい。ありがとー待っててくれて」



カチン、キュルキュル、



「それにしても可哀想になあいつ」
「当然、あんなの」
「まあ話の限りじゃあね」



夏休みに初めて見たあいつの私服姿、
あんたにも見せてやりたかったよ。

もうださいったらありゃしないの。

白ソックスにハーパン、
長袖シャツにウエストポーチ、



「待合わせ場所に変な人がいるって思ったらそれよ」
「確かにヒくわーそれ」
「でしょー。あ、そこ段差」



ガタン、



「痛って、ケツ打った」
「ケツ言うな」
「あはは」











別れた理由はファッションセンス。



所詮愛なんてそんなもん。友情の方が確かだ。






「蚊に食われそう」
「じゃ早く帰ろ」
「疲れて
 ペダルこぐ気起きない」



2匹を乗せたチャリは
ゆるゆると夏の夕風を掻き分けました。














(カプリチオ)





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