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見た夢について
日記を書くことにした。











6/17

世界旅行をした夢をみた。
ハワイの海が綺麗だった。



7/6

友達とサッカーをした夢をみた。
すぐにゴールを決めた。



7/7

不思議な夢をみた。
僕は真っ暗な場所にいた。そこで僕の体は
ゆらゆらと浮いていた。
何もかも真っ暗だ。

そのまま目が覚めた。




8/25

ジャングルに行った夢をみた。
僕はパンチで虎をやっつけた。



9/14

宿題を忘れた夢をみた。
大好きなやよい先生に
怒られて悲しかった。



9/27

また不思議な夢をみた。
前と同じ真っ暗なあの夢だ。
今度は向こうに
ぼんやり白いものが見えた。

誰かいる。

そこで目が覚めた。




10/8

1000円札を拾った夢をみた。
母さんに内緒で
新発売のゲーム機を買った。


10/23

またあの夢をみた。
白いぼんやりが近付いてきた。
蛇みたいに細長くて
かなり大きい。
動きから
どうやら泳いでいるらしかった。

ぼんやりがやってくる途中で
目が覚めた。



11/2

ぼんやりは近付いてきた。
僕の目の前で止まったけど、
姿や顔は
ぼやけていて分からなかった。
「よう、」
ぼんやりは言った。
「君は誰?」
「俺は竜宮の使いだ」
「竜宮?」
「海の底の楽園さ。またな」
それを聞いた途端に目が覚めた。



11/15

今夜は姿が少しはっきり見えた。
真っ白な体で、
頭だけが冠を被ったみたいに
とがっていて赤い。
「君はどうしてここにいるの?」
「俺はいつもここにいる。
お前が呼ばれてここに来たんだ」
「誰が呼んだの?」
「俺さ。ほら、
もう息が続かなくなるぞ。
またな」

そこで目が覚めた。



11/26

「僕に何の用?」
「俺の独り言の
聴き手になってほしいんだ。
難しい話のな」
「どんな話?」
「熱帯や淡水の奴らはともかく、
俺たちはお前らとは
仲良く出来ないって話さ」
「なんのこと?」
「俺たちを
地上で生かそうなんて
考えないこったってことよ」
「ふーん」
「分かんねぇだろう。またな」
「…うん」



いくつもの夜を越え、
僕と竜宮の使いは友達になった。



12/14

「どうして僕ひとりにこんな話をするの?」
「他の人間にまで
話をしてる時間がないからさ。
俺はもうすぐ死ぬんだ」
「死ぬの」
「ああ、死ぬ」
「どうして」
「すぐに分かるさ。またな」



12/31

次に竜宮の使いに会った夜、
そこは暗闇ではなく
薄明かりのさす海面近くだった。
「ここは?
君はどこに行くの?」
「お前にとっての聖地、
俺にとっての死地だ」
「竜宮の使い、」
「俺は今夜死ぬ。
言うことは
お前に全部言ったから、
心残はないぜ」
「いやだ。待って」
「話を聞いてくれてありがとよ。
またな…じゃねえか、」













さよなら。













「…待って!」



そこで目が覚めた。









その朝、
変わったニュースが
新年のメディアを騒がせた。

「なんでも深海魚が
漁船の網にかかってたんだって。
どっかのペットショップ業者が
売り出してさ、
すぐ死んじゃったらしいけど。
白に赤の魚なんだって。
新年早々おめでたいわねぇ」






ちっともおめでたくなんかない。






深海から引き上げられた
奇妙な縁起物に沸く陸の隅で、
死んだ友人を思い
僕はひとり泣いていた。
























(竜宮の使い)






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