*・.゚



部屋は空だった。
部屋はからだった。



杏ジャムみたいな色の
携帯電話の充電ランプは
ぼんやり現れたり消えたりして、
丸くてつるりとした
置き時計の秒針は
ひどく規則的に時間を侵蝕して、
やたら大きい四角窓は
光を逃がして影を招き入れて、

ぼってりした布団はベッドの上で卑屈っぽく丸まって、
たんすや折り畳みテーブルは
大自然にいた頃の面影を
すっかりなくして押し黙って、
頭の下の畳は
まるで大海みたいに広くて、

僕は
生きる意味をむさぼって、
生きる義務を食い散らかして、



ああ。
ますます、










「寂しさと虚しさと懐かしさが
この部屋をそらにする。」











部屋は空だった。
部屋はそらだった。














(そらのへやとほしのかぐ)






*・.゚

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